The Way of the Urban Shaman
アーバンシャーマンへの道: フナへの招待
The Way of the Urban Shaman: An Introduction to Huna
インタビュー記事「フリント・フリントフト氏に尋ねる」
地球のきもち -1995.12/1996.1より(2010年改訂版)
その1- フナの基礎
(I):インタビュアー/(FF):フリント
I:はじめにフナについて簡単に説明していただけますか?
Flint:フナの歴史は人類の夜明け、すなわちいま進化しつつある意識が目覚めたころにまでさかのぼり、 その知識はアトランティスやレムリアでも伝えられていたといわれています。またフナはエジプト、 マヤ、チベットのミステリー・スクールなどで教えられ、その智慧の一部は様々なシャーマンの伝統 のなかで自然とのつながり・癒しに用いられてきました。
このようにフナの教えはハワイに限定されず、 太古よりさまざまな文化の中で伝えられてきたものです。しかし、その真髄は何千年ものあいだ複雑に覆い隠され、また部分的には宗教の型のなかに閉 ざされて、ごくわずかの人々のあいだで代々伝承されてきたわけですが、実はそれはとてもシンプル なものです。
何千年もまえにハワイの土壌に根ざしたフナは、ポリネシアとその言語の持つ特有なスピリチュアリ ティー(霊性)とシンプルさの中で育まれてきました。たとえばフナという言葉は、「フ=隠された、ナ=力、エネルギー」を意味しています。
多くの人がフナをハワイのシャーマニズムと同じだとみなしています。しかしながら、フナはすべての人に役立つスピリチュアルな教えであり、偉大なる気づき、心についての理解と人類としてハートを分かちあうことへと導くものなのです。
歴史をみてみると、スピリチュアリティを見失った文明はすべて滅びています。人類が急速に変化している今日、過去の奥義がいま正しく人々にとき明か されようとしているのです。そしてフナの起源は時間をも越えたところ、すなわちわたしたちのハイアーセルフ(高次の自己)が存在するところにあるわけで す。ハワイでは、”アロハ・共に在るよろこびを分かちあおう” と挨拶を交わしますが、そのアロハ・スピリットそのものが、フナを解きあかす大きなかぎです。
I:フリントさん自身は、どのようにしてフナと出会われたのですか?
FF:こどもの頃から、何か日常のわたしよりはるか大きな存在が自分を見守っているのを薄々感じていたのですが、それは夢や日常の偶然として、わたしを精 神的指導者たちに出会わせてくれ、そしてフナについて学ぶように導いてくれたわけです。ここでそれに触れるには、時間が限られているので省略します が...。
といっても当時は、フナに関する本もまれでした。しかし、それらを読む事で、光と出会ったような気持ちになり色々なことが明解になっていったのですね。そして、過去生でもそれを使っていたことに気がつきました。 カレッジを出るとすぐ、5年ほど地球上のあらゆる地を旅し、各文化の宗教・哲学を比較して回ったのですが、フナほど端的に人間の意識を解明し実用できるものは見つけられませんでした。チベット、マヤ、エジプトの教えの中に共通性を見い出しましたし、ハイダやマオリともつながり、そしてもちろん、日本もフナとの興味深い関連を古神道の中などにもっています。
旅の後、私はチャネリングによってもたらされたフナの学びに深く関わるようになりました。チャネリングというものが一般的に受け入れられるようになる前のことです。私は80年代初期にバンクーバーで数年を費やし、ユニバーサルなフナに関する、およそ7000のスピリチュアルな存在のソウルグループによる講演の音声を文章におこしながら、その深みを身につけていきました。この内容は今も私のフナの教えの基礎を形づくっています。
サージ・カヒリ・キングがハワイで教えはじめたのは、ちょうどその頃の80年代でした。彼のもとでハワイの観点からフナを学び始め、可能な限りの時間を費やし実践しました。シャーマニックな能力と内なる旅の実践という彼と共に学んだ道具はーその多くは彼の著書の中に含まれていますがー私が見つけた中で最もベストな学びだと思います。
このことがさらなるサージとの又ハワイでの他の先生達との学びや、非常にチャレンジングな7年間に渡るブラジルのシャーマンとの修行に導いてくれました。一つの学校だけでは決して学びきれないものなのです。フナは途方もなく大きく拡大していくもので、フナを学ぶことは、自己の存在とそのつらなりを学ぶことで限りがないことです。心についての深遠なる理解へと導かれていきます。
I:もうすこし詳しく、フナとワークショップについて教えていただけますか?どのように実践するものなのですか?
FF:フナは実用的な智慧で、人間の意識・自己をー顕在意識、潜在意識、超意識の三つから成るものと とらえ、それらのつながりを理解することによって、ハイヤーセルフ(内なる導き)とつながり、 そしてシンクロニシティーを増幅し、変容を可能とするアートです。フナは哲学でも宗教でもなく、 真の自己を開いていくアートなのです。
フナでは、まず潜在意識の働きを理解し、その潜在的実用性を活用することにはじまります。 それは自己をひらく重要な道具であり、簡単な原則にもとづいたものです。そしてそれを意識して用 いることで、自然におこる自己の拡大や表現をとざしている概念を取りはらい、より高い意識・深い 存在との調和にいたることができます。
そしてイメージとヴィジョンを訓練することによって、多様な次元のエネルギーの流れを活性化して いきます。そこから、自己への旅のとびらが開かれるのです。それらのことに焦点を合わせて、 フナの入門ワークショップは展開していきます。
I:ハイヤーセルフとつながるとは、どういうことを意味するのでしょうか?
FF:内なる導きーハイアーセルフに耳をかたむけることは、自分自身の存在を信頼することを意味します。わたし自身の体験でも、それは多方面に良い 影響をもたらしています。たとえば、自然とのつながりを強め、火の上を歩くことを可能にしたり、また日々の生計や対人関係、過去生の探究、癒し、カウン セリングにまで活かされています。そこには限定や境界はなく、つねに広がりに満ちています。
I:最後にフリントさんは普段はコンピューターのソフトウェア・デザイナーでいらっしゃるとのことですが、それとシャーマニズムとのつながりも興 味深いものですね。
FF:それがフナの効力でしょうね。フナは特にシャーマニズムにおいてのみ有効だととらえられがちですば、実はビジネス界で成功をとげている人の多 くは、直観的な能力ーフナでいう内なる導きーに磨きがかかっているのですね。それは超能力ではなく、すべての人が持っている力なのです。 たとえば、わたしの知り合いの不動産屋さんですが、すこぶる勘の冴えた方で、クライアントのニーズにぴったりの物件を紹介してくださるんですよ。名医と 呼ばれる方々や芸術家も、このような直感の冴えた人たちです。またソフトウェア、建築やほかのデザイナーなどにもいえることなのですが、あるイメージを 具現化していくその力を意識的に用いることは、フナと密接に関わっているわけなのです。
I:なるほど。貴重なお話しをいろいろとありがとうございました。また次回のインタビューを楽しみにしています。
*******
その2 - 共鳴
I:インタビューの第2弾よろしくおねがいします。今回はフナにおける調和と共鳴をテーマに進めていきたいと思いますが、まずは共鳴につ いて簡単に説明して頂けますか?
Flint:フナでは共鳴の原理を理解して、私達がそれをどのように日常に実用するかを、非常に大切にしています。 というのも私達は、調和、親しみ、信頼感などを共鳴しあっているからです。共鳴をわかりやすく言うと、 振動している二つの物体の固有振動数が等しい場合に起こる、エネルギーの交流現象のことです。たとえば 同じ音叉を二つ近付けると、固有振動数が等しいのでエネルギーの交流がおこり、両方が振動します。
または、目に届かぬ高いところに吊ってある大きな鈴を、縄をゆらして音を鳴らすさまを想像してみてください。 縄の動きに一定のリズムをつけて、鈴の動きと同調していくわけですが、この場合に交流されるエネルギーは鈴の音ですね。他にあげられる簡単な共鳴の例として、人との間の友情、また特に植物や動物とこころを通わし育てる力、聞くたびに心地よく背筋のふるえを感じさ せるオーケストラの奏でる和音。そしてあなたの身の周りで心地よく感じているものの多くは、個々の共鳴の表れとも言えます。よく出かける場所や国、好み の色や素材。それは、それらとあなたの一部が同調しているからだとフナではとらえます。
I:そしてフナでは、意図的に同調を日常生活に取り入れていくわけですね?
FF:ええ。宇宙のすべては共振しています。原子も分子も固有の振動数で共振しています。そしてまた、想念も固有の振動数で共振しているわけです。 宇宙空間はまさしく互いに響きあうエネルギーの海であり、一部におこる変化は基本的にすべてに影響を及ぼすわけです。
意図的に同調を実践するにあたっては、フナではまず自然との同調。すなわち植物や動物、クリスタル、または人間や場所に”チューンイン”して、それらを 感じてみることから始めます。これを実践していくことで、まずは身の周りのもの、そして次第に多次元にわたって交流し、変化をあたえていく術を身につけ ていきます。たとえば、目に見えぬもの、水脈や鉱山などを探し当てる能力は、すべての人に生まれつき備わっている能力なのですが、磨いていかなければな らないものでもあります。
人間の意識は多様な周波数にチューンインできる、とても高性能な共鳴体なのです。そして感覚をとおして意識を拡げ、さらに気づきを深める実践を行なうこ とで、この世界はすべて共振することによってつながっていることに目覚めてくるわけです。
I:では、フナの共鳴の概念は、佛教でいる”インドラ”の網と共通するものですね。
FF:そうですね。前回のインタビューでもあったように、フナはチベットのミステリー・スクールでも伝えられ、佛教にもその知識は根ざしているので すが、とくに共鳴に関するそれは、実践を伴うと、時間・空間の概念、また意識そのものを変容することが可能です。
I:それは、たいへん興味深いお話しですね。フリントさんのワークショップでリードなさっている”タイムトラベル”や”パラレル・ライフ”と呼ば れているジャーニーとも関連しているのでしょうか?
FF:そうですね。まずタイムトラベルから説明しましょう。そこでは私達の過去と未来に同調する、または”チューンイン”する能力を磨きます。フナ の教えるように潜在意識のなかに過去の情報・体験、過去生にいたるまでのものが全てインプットされていると考えるのならば、意識によるタイムトラベルの 観念はたやすく可能になります。それは、まずリラックスして、意図することから始まります。すると、自在に過去の記憶がよみがえってくるので す。
過去の出来事自体を変えることは出来なくとも、あなた自身がまだ記憶として留めているそれに対する反応または見方はちがう角度から見たり、どのように受 け取るかなど捉え方を替えたりすることで、いとも簡単に替えることが出来ます。 潜在意識は、過去の出来事すべて”今”と見なしてしまいます。それはCDや本とも喩えられます。直線的時間の流れにそって収録されていても、そのなかの トラック(曲)やページからいつでも”今”を読み取ることができるのですね。また顕在意識は、とてつもなく大きい倉庫の中の家具にスポットをあてる懐中 電灯のようなものだと喩えると、一つひとつの出来事を選び、それに焦点をあてることを可能とします。家具はすべて揃っているので、あとは焦点をあてる対 象をどう選ぶかなのですね。
自分自身の過去を見直し、それに影響をあたえることもフナのジャーニーでは可能です。たとえば、過去のトラウマに直面する覚悟さえあれば、今の自分のま まの意識状態で過去にさかのぼり、変化を生み出すことができるのです。そしてそれは、極めて不可思議な心理現象を生み出す、あなた自身との出会いなので す。
I:なんだか、まるでスピルバーグのバック・トゥーザ・フューチャーみたいですね。
FF:まさしく、その通りです。また逆に、いま現在の自分に未来から自分がやってきて、あなたをやさしく包み込み、励ましてあげることもできるわけ です。何れにせよこのワークを成功させるかぎは、過去にさかのぼることのできる自分を、今ここに意図し出現させることです。それによって直線的に見える 時間のとらえかたそのものに変化が生ずるわけですね。そしてこのように時間とは何かを理解することで、未来の自分にも、意図して同じく手を差し伸べてあ げられるのです。それは、ただただあなた自身が、自分にやさしく手を差し伸べている姿を、心にありありと映しだすことから自然と沸き起こるものです。
I:その通りですね。またパラレル・ライフについても少し教えていただけますか?
FF:一生のうちには、いくつかのターニングポイントに出会いますね。たとえば、進学、結婚、就職などど言うと、 ある一つの方向に向かう決断をせまられるわけなのですが、そのときに、二者択一をよぎなくされたとしましょう。もしもその選ばれなかった道に対するあな たの思いが強く、顕在意識のなかでそのまま宙に浮いている状態だとすると、それはパラレル・ライフとしてそのまま息づいていることがあります。 リラックスした状態で意識を集中してます。その決断の時点に立ち戻り、その選べなかった道を心の中でしばしば辿ってみましょう。もしもあの学校、あの 人、あの会社を選んでいたならば....。どのような結果になっていただしょうか?
たとえば芸術家の道をあきらめてビジネス界に入られた方がいるとすると、なぜか突如として無性に絵が描きたくなるという具合に、日常生活でも周期的にも う片方の道を歩みたい衝動にかられます。いま正しく、あなたのパラレル・ライフが交差しエネルギーの交流を求めているのです。それは、あたかも二つのサ イン波(正弦曲線)が軸線で重なりあうかのように。芸術家は異なる次元に存在し、あなたに影響力をもって語っています。そしてあなたも、内なるジャーニ ーの扉を開くことで彼と語りあい、必要があればいたわり癒しあうことができるのです。敬意の念を捧げることで、彼は統合された自己の一部となることで しょう。
I:未知との遭遇ですね。
FF:ええ。フナは太古から伝わる、すべての自分である存在とつながるアートなのです。時間は、スケジュールを合わせたり、出来事のタイミングを図ったり するのに顕在意識にとっては有効なものですが、潜在意識と超意識には時間は存在せず、体験のすべては共振と共鳴の織り成すエネギーの物語。そして共鳴の 和をひろげ、すべての自己に開かれることによって。ただの夢ではなく相つらなり語りあう存在になるのです。
フナとはまた、光を放つという深い意味もふくんでいて、すでに心と超意識に存在するその内なる炎に旅し、それに気づき輝くことなのです。
I:それがまたアロハ・スピリットの気づきなのでしょうか?
FF:そうですね。アロハ・スピリットとは、ひとつらなにの存在に気づいた時に沸き上がる、いのちの喜びであり、意識を集中し訓練することによって 共鳴を高め、それを持続することができるのです。 これら共鳴の知識から派生する可能性は計りしれないものがあります。これから近年において、肉体、精神、情緒、またスピリットに関する分野が統合されて いくにつれ、共鳴の学問自体が、新たな重要性をもつ時代に突入しているのです。粒子の世界を観察する人間の意識自体が物体に干渉をおこす。すなわち共鳴 することが、すでに量子物理学の分野では知られています。また最新の医療または治療器具の技術にも、共鳴の原理は応用されているわけです。
アクエリアン革命は、すでに始まっています。その名に由来する水瓶座のシンボルが、相共鳴しているふたつの波形であるように、今や時は共鳴の時代...。私達が全てとつらなり共振していることを、心を通して再び発見する時代、に至っているのですね。
I:すばらしいエネルギーをありがとうございました。フリントさんのフナのワークによって、私達が光り輝き、喜びが共鳴することをさらなる喜びとして。 アロハ。
*******